Audre Dubusの言葉です。
そう、人の目が気になる、っていうことは、人が自分を見てる、という自意識があるんじゃないか。
そういうことを言ってるんだと思います。人はそれほどあなたのことなんて、気にしてませんよ、と(笑)。
ナルキッソスというギリシャ神話の美少年の話がナルシシズムの元だそうですが、
自分しか愛せないようになる、というのもまた厳しい神様の罰ですね。
私たちもよく日常的に「ナルシスト」とか「あの人ナルシス〜」と言いますが、
「自己満」「自意識過剰」などと同義に使われてます。
カウンセリングでもNarcissistic Personality Disorderというのがあります。
まさしく、自分をとてつもなく愛している症状なのですが、それだけではなく、
周りの人もそれと同じくらい自分を尊敬し、崇拝していると信じ期待します。
だからあまり思った通りの反応が得られないと、ひどく驚いて憤慨します。
結果として、相手を低くおとしめることによってその欲求を満たそうとしたりします。
人前でmounting(お猿さんとか動物が馬乗りになって、「オレ様の方が上だぞ〜」と誇示する行為)
をすることもあります。
自分はスペシャルなので特権階級なのだー、と信じ、社会的にて「トップ」と言われる人、モノと
つながろうとします。
でもその実、この症状を持つ人たちのself-esteem(自尊心)は、とても脆弱です。
だから他人にものすごく嫉妬することもあるみたいです。
前回の「ドラマクィーン」と似ているのですが、違いは
「ドラマクィーン」が「関心」を求めるのに対し
「ナルシス」は「賞賛」を求めるところです。
こういった特徴を持つ方をカウンセリングするには、もちろんいろいろアプローチはあるのですが、
日常生活でこういう方たちとつきあうにあたり、残念ながら特効薬は・・・難しいと思います。
なぜなら極端に「共感」とか「感情移入」という部分が弱いので、
相手の気持ちを慮る、などということはあまりしないからです。困ったものです。
もし相手が「ナルシス」の「気」があるなあ、と思ったら、「やられ」ないことです。
「自己チュー」の人と対応するのには、ものすごいエネルギーが必要です。
そのエネルギーと「やられ」ないパワーを持つ必要があります。
相手が威張り散らしてあなたに少しでも劣等感を与えても
こっちまでそれに乗っかって劣等感を持つ必要はありません。
威張られていや〜な気分になっても、その気分をふーん、と流せる強さが必要です。
そのためには、自分が休める、ラクになれるsanctuary (聖域)を持つことが大切です。
周りに振り回されないその場所で、一息ついて、また戦いに出るしかないこともあります。
そういった場所、お持ちですか?
でもこうやって考えてみると、誰もがやってしまう「自慢」とか「うぬぼれ」で
知らず知らずにずいぶん人を傷つけているなーと感じます。
実際に「ナルシス」と診断されずとも、やっぱりどこか同じようなことをしてしまっていると思います。
もちろんそんなことばっかり考えてたら、コワくて何もできなくなります。
でも、人のフリ見て我がフリ直せ。
たまに自分の行動を振り返り、反省し、進んでいくのもいいかもしれませんね。
次回はオオモノ「自己チュー」、「境界線ぎりぎりの方たち(Borderline Personality Disorder)」です。