John Milton (ミルトン)の「失楽園」からです。
有名な話があります。
ずいぶん昔のこと。ある靴屋さんがアフリカに人を送って市場調査させました。
その人の電報によると
「もう国に帰る。ここじゃ誰も靴を履いていない!」
時を同じくして、もう一軒の靴屋さんも、アフリカに人を送りました。
その人曰く
「ビジネスには最適だよ。誰も靴なんて履いたことはおろか聞いたこともないんだから!」
世の中で起こっていることは
まさしくロールシャッハテストやだまし絵みたいなもので、
見る人によってツボに見えたり人に見えたりするんですね。
自分にとって「現実」というのは何か、と考えますと、
自分に起こっていることを自分が「どうとらえるか」、ということになります。
そして「脳」が受け取った事象を分析し、判断します。
事象を分析するときには、自分のこれまでの経験や価値観などの
inner view (自分の中の世界観)と照らし合わせて、
その結果として事象に対する「reaction(反応)」が決められます。
だから受け取る「脳」によって、同じ状況でも違う受け取り方が生まれるんですね。
自分に起こっていることが楽しいことだろうがストレスだろうが、
その反応はまちまちです。
ポジティブな反応なときはいいのですが、
面倒なのはネガティブな反応をしてしまうときです。
ここで大事なのは、脳が私たちの行動をすべてコントロールするだけでなく
我々のそれに対する対応が脳をコントロールすることもできる、ということです。
脳には学習能力があるんですね。
例えばストレス、というのは悪いことだけではなくて、
集中力や注意力を高める、という効果があります。
それによってそのストレスに対応する術を磨いていくと、
いずれストレスをストレスと感じなくなることがあります。
ところが現代はそのストレスが切れ目なく次から次に押し寄せてくるので
いっつも脳がコーフン状態になってしまいます。
休みがないんです。
そうすると、大変なネガティブらせん階段を滑り落ちていくことになってしまいます。
でも、いつも通り、
周りで起こっていることに対する反応に「いい、悪い」はないんです。
考えるべきは「どう反応するかを認識し、知っているかどうか」です。
じゃあ、どうすればいいんでしょう。
反応してしまうのは仕方ありません。まずは反応しましょう。
でもその後で自分の中で小さな反省会をするんですね。
そこではポジティブな自分、ネガティブな自分、無関心な自分、
一所懸命な自分、とみんな勢揃いします。
ポジティブな反応をしたことが分かったら、みんなで拍手です。
ネガティブな反応をしたら、どこがネガティブだったのか、
本当にネガティブになるに十分な情報があったのか、みんなで考えてみます。
そしてその情報に対する自分の最初の考えが、
自分の反応を決めるにあたりどれだけパワフルだったかを考えます。
何故悲しいと思ったか。何故怒りを覚えたか。何故失望したか。
面倒なんですが、書かないまでもそういったことを考えてみます。
お風呂の中でなんて、いいですね。
そして、もしかして自分が「自動的に」ネガティブな結論を導いてしまうような
モノ、人、シチュエーションがないか、調べてみます。
それらは本当にネガティブに反応すべきものですか?
反省会に出席しているみんなが、賛成しましたか?
こんなことがありました。
以前私の知り合いが自分の伴侶のお祝いパーティを計画して、
仮の予定を決定、みんなに知らせました。
ところがそのうちの一人の都合が悪くなり、
日程をかえなくてはいけないかもしれない状況になりました。
でもその知り合いは、自分が一番来てほしい人に来てほしいため、
なんとか当初の予定通りできないかと調整に追われていました。
ところがその過程でその「一番来てほしい人」が「日程を変えて計画が進んでいる」と
中途半端な情報を耳にして、文字通り怒鳴り込んできたそうです。
その人もちょっとだけ立ち止まったり、あるいは親しいんですから
「ね〜、日程変わるの?聞いてないよ?」と連絡すればよかっただけですね。
こういう方は、もしかしたら「仲間はずれと思う傾向」が強いのかもしれません。
・・・そういった自分のクセが分かったら、
最後は反省会の議長に訳知り顔に「最初に考えたことがいつも正しいとは限らない」
とまとめさせましょう。
それによって、今度同じような状況が起こっても、
条件反射のように反応する前に立ち止まったり他の見方をしたりすることが、
少しずつでも出来るようになっていくんですね。
・・・面倒ですね(笑)。
でも身体が運動で鍛えられていくように、脳だって、エクササイズが必要だそうです。
出来る範囲で、続けられる範囲で、ちょっとトライしてみますか。
はじめまして、タッキーと申します。
人気ブログランキングからまいりました。
脳のエクササイズ、トライしたいです(^^)
まずは反応してみて、ポジティブかネガティブか反省してみる
というのは、とても参考になりました。
試してみます。
タッキー様、
はじめまして。お寄りくださってありがとうございます。
クセというのはなかなか変えるのは難しいので、焦らず、でもしっかり見つめてエクササイズしてみてください!