昔観たThe X-FIlesに、こんなエピソードがありました。
その怪物は、不治の病で苦しむ人を生きたまま食べます。
でもその後でその人を吐き出し、その人は生き返るのですが
その病気だけは、その怪物が引き取ってくれるのです。
でもその怪物にも限界はあって
いずれ弱って死んでしまうんだそうです。
切ないお話でした。
人の、特に友人の悲しみは、何とかしてあげたい。
でも何ともなりません。
悲しみの絶対量は減りません。
できるのは、ただ、その重たい荷物の角っこを
ちょこっとつまんでお手伝いするだけ。
悲しみが降り積もり朽ちていき、
やがて静かに心にしみ込んで行く時間を
一緒に過ごすだけ。
幸せと違って悲しみは
例え自分が背負うことができたとしても
同じ重さで今度は自分にのしかかるだけです。
それでは何にもなりません。
ただ横に居て一歩下がって一緒に歩いて行く。
その代わり、
幸せなときはとんでもなくはち切れてやろうと思います。
生きていれば避けられない辛いこと。
決して消えない涙のあと。
少しでも早く静かで美しい思い出が
覆い隠してくれますように。