私はそれほど詳しくはないのですが、
ただただ母親譲りのミーハーで、映画や舞台やお芝居が大好きです。
歌舞伎もずいぶん好きになりました。私は完全に役者さんで、観ます(笑)。
大好きな役者さんはたくさんいるのですが、それぞれ理由が違って、
中でも四代目猿之助丈は「好き」な理由はかなり違います。
私はこの方を観ると常に「喰う」という言葉を思い出します。
人を、喰う。
芝居を、喰う。
共演者を、喰う。
己の鍛錬を、喰う。
何もかも喰ってしまって、さらに喰う、あの気迫。
「ノっている」だとか「波が来てる」というとき
人はいつもに増して凄まじい力を発揮することができます。
ただその波はそうそうくるものではなく
またぽかんと口を開けて待っていても、来てくれるとも限りません。
いつ来るか、今来るかと待ち受ける波を
見分けられるように、いつでもノレるように
そして流されることなく目的地に行けるように
常に準備をし続ける。
波は来ないかもしれない。
来てほしいときに来てくれないかもしれない。
来てほしい方向から来てくれないかもしれない。
それでも波を、呼ぶ。
波さえも思わず来てしまう、気迫。
そんな気迫に触れると、こちらまで奮い立ってしまいます。
何も四代目のことを言っているのではありません(笑)。
毎日の生活で出会う誰かが
静かな気迫を見せるとき
こちらもついぶるるっ、ときます。
そんな気迫は、毎日持っていたら燃え尽きてしまいそうですが
ここぞというときに出せるように
そんな精進をしたいものです。