もとのその一。~三年を終えて~

「稽古とは 一より習い 十を知り 十よりかえる もとのその一」
茶道の心得を詠んだ「利休百首」からの引用です。
習ったことを初めからやり直すと理解度や感受性が深まるということだそうです。

確かに
昔観た映画を今見ると
違った感じ方をしたり昔はわからなかったことがやけにすとん、とわかったり。
何もわからないときに学ぶことももちろん意味がありますが
何かを学んだあとにまた学びなおす、というのも
また違った味があるのかもしれません。

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一緒に苦しんでくれているんだから、受け取ればいいのに。

先日、幼くしてお母様を亡くされたお子さんと
お話する機会がありました。

「○○ちゃんったら “I am so sorry. I know how you feel.”って言うの。
自分はお母さんもお父さんもいるくせに。分かるわけないのに。」

怒りをむき出しにしていました。至極自然な反応です。

私は30歳後半で父を亡くしても情けなくへなへなとしておりましたので
しっかり話すこのお子さんを、何だかすごいなぁ、と思いながら
聞いておりました。

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福を取り尽くしてしまわぬが惜福であり、また使い尽くしてしまわぬが惜福である。

幸田露伴の「努力論」から、有名な「幸福三説」の中の「惜福」です。

「幸福三説」とは「惜福」「分福」「植福」の3つです。
「分福」「植福」は読んで字のごとく、です。
福はみんなに分けるものである、自分だけ幸せになるのではなく、
周りを幸せにして初めて自分も幸せになれる(「分福」)という考え、
また「植福」は、将来の幸せの種を植え、植物を慈しむように
その幸せを育てる=正しい努力をする、ということだそうです。
過去は変えられないけれど、未来には自分で挑戦できるんですね。

惜福」とは、「福」を惜しがることではなく、
「惜しむように」「もったいないように」「福」を享受することだそうです。

日本の帰った際に買ってきた、大好きなしそちりめんを
少しずつ、少しずつ食べた自分を思い出しました・・・
・・・ちょっと次元が低かったですね。

この三つは、お互いに絡みながら、
「幸福」というものに対して私たちが考えるべき視点を与えてくれます。

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それでも人生にYesと言う。(… trotzdem Ja zum Leben sagen. …Still say yes to life.)

気がつけば、書き始めてから今日で一年がたちました。
これまで読んでくださって、励ましてくださった皆さん、
本当にありがとうございます。
まだまだ未熟な内容、未熟な文章しかお届けできませんが、
これからも温かく厳しいサポートを
どうぞよろしくお願いいたします。

そして、おめでとう、自分のチカラ(笑)。

その一年目の記念には、フランケルの有名なこの著作。
「それでも人生にYesと言う」。

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