O. ヘンリーの名作、「賢者の贈り物」。
互いを思うあまりにすれ違う二人の結末が、涙と感動を誘います。
小さいころに読んで、なんだか切なくて
オシリのあたりがむずむずして身をよじったのを覚えています。
友人が開催した、「日本刀展覧会&即売会」に行ってきました。
そのお店は日本のアンティークを扱っているところで
総桐のタンスから十手から、はたまたメンコから日活のポスターまで
それはそれは私にとってはToys”R”Usのような、何時間でも過ごせそうなお店でした。
・・・もちろんほとんどは手が出るような値段ではありませんでしたが。
そこに、友人と行きました。
実は昨年、愛猫ダルマを失った後にうちにきたElvis-Winston。
彼のFoster MommyだったRです。
彼女はジャマイカからの移民ですが、
ジャマイカ時代に25年空手をやっていた、というのです。
日本の社会や文化に興味がある、というので恐る恐る誘ってみればとびついてくれました。
よくこちらでも「日本に興味がありま~す」という方はたくさんいるのですが
その実それほどでもないな、という方も多くいる中(失礼!)
彼女は本当に興味があるようで、店の中をくまなく探索
途中からFaceTimeでジャマイカの姪っ子を呼び出して一つ一つ説明する始末(笑)。
そんな彼女が、「私にも買えるかな・・・」と漆のお箸を手にしました。
お箸$20。けっこうするな、と思いつつ、本当に彼女が魅かれているのが分かりました。
そのうちの一つは特に美しく、私も思わず手に取ってため息をついていました。
最後二膳まで絞った彼女は「考えてみる」ととりあえずウィンドウショッピングを続けました。
そして「ええいっ。両方とも買っちゃう」と英断(笑)。
彼女は猫や動物が大好きなので「猫のお箸置きをプレゼントしようっと」と思った私は
そうっとそれを一つ握りしめ、彼女にバレないように購入。
「そろそろ帰ろうか」と出ようとしたとき
「今日は連れてきてくれてありがとう。お揃いのお箸だよ」
・・・。
なんといっていいかわからないくて、それでもやっと
「買ったお箸と合うかな、と思って・・・」と箸置きを差し出す私。
お互い噴き出して、ただ強くHugしました。
お互い何を失ったわけでもないんですが、何となく「賢者の贈り物」を思い出しました。
とぼけた顔のElvis-Winstonを見ながら
彼が届けてくれた縁にただただ心動かされ感謝して
眠りについたのでした。