気に入らぬ 風もあろうに 柳かな

「天災」を初め数々の落語の噺でも引用されている、
仙厓(せんがい)和尚の言葉です。

書画を数多く残した「博多の仙厓さん」はこの句に、こんな絵を残しています。

(NHK日曜美術館のページより拝借)

落語で覚えたこの句を中学の習字の授業で最終プロジェクトとしてとりあげ、
描いた書画がこの書画とそっくり。もちろんつたない筆使いでしたが。
当時まだインターネットなどなかったので何も知らず、後に検索して驚きました。
それだけ人にしっかりとした印象を与える句なんだなあ、
と感動したのを覚えています。
あれ、どこに行ったかな〜・・・証拠があるといいんですが。
でも、本当なんです・・・・「堪忍」まで描いたんですよ(笑)。

柳の木はしなやかです。
東から風が吹けば西へなびき、西から風が吹けば東へなびきます。
でも「柳に雪折れなし」と言われるように、柳は決して折れません。

よく、表向き人や状況に「自分を合わせる」人は
「自分がない」とか「何事も気にしない」とかいったマイナスの評価を受けがちです。
そういうケースも多々あるでしょう。
確かに、人や状況に「流される」人は、そういうこともあると思います。
でもその中には、その「柔軟性」が、本当の強さゆえに発揮できる人もいます。
「流される」と「合わせる」は、主体性が全く違うんですよね。

真っ向から対決することも、大切です。
でも何の風に吹かれているかも、その風の強さも分からないうちに対決すれば
負けてしまうこともあるかもしれません。

風を受けて、それに必死に耐えてみる。
外からは、風の猛攻に対するあなたの「counter force(反撃のチカラ)」は目に見えず、
ただ静止しているように見えてしまいます。
でもそれは、何もしていない、ということではありません。
踏ん張っているんですよね。ものすごいチカラです。

そして、あるとき、だんだんとけてきたきた雪をばさっとはねのける柳のように、
自分で立ち上がります。これまたものすごいチカラです。
よく何かの圧力に対して自分が踏ん張っているとき、
その「何か」が急になくなると、
自分が「おっとっと」と前に出てしまうときがありますよね。
あれだと思うんです(笑)。

強い風や重い雪があなたを襲えば、揺れたり凹んだりすることがあります。
それを無理に凹まないようにするのは大変です。人間ですから。
だったら、揺れてみる。凹んでみる。
でも、耐えてみる。
ばさっとはねのけるチャンスを待ってみる。
そのためには、「曲がっても折れない」自分のチカラが大切だと考えます。

表向き風を切るチカラも素晴らしいですが
「折れない」チカラ、それも本当に大切だと思うわけです。

毎日走って疲れたときは、ちょっと立ち止まって、
「いつもの 風に吹かれて」みたいと思います。

最後にこちらをぷちっとしていただけると幸いです

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気に入らぬ 風もあろうに 柳かな」への2件のフィードバック

  1. いつも楽しくためになるブログありがとうございます。
    私はどちらかというと「柳人間」なのですが、時々「これって自分を持ってないということなのかな?」と不安になります。柔軟性と流されること、この二つの違いに引くラインを自分なりに持っていれば、不安を持つこともなくなるんですね。
    チカラ案内人さんが昔に描かれた柳の絵、ぜひ見てみたいです!

    • Yanagiさん、
      ありがとうございます。
      「柳人間」なら、きっと芯に強さをお持ちなのだと思います。ご自身のバランスを見つけて、堂々と「しなって」ください(笑)。
      はい、あの絵、今度実家に帰ったら探してみます・・・・

コメント

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